英語を教えるのなら学ぶべき「言語学」

皆さん、「言語学」ってご存知ですか?

実は「英語教育」「外国語教育」は「言語学」という学問の一つの分野。

日本では「ある程度の英語運用力があれば英語を教えられる」という風潮があるため、言語学の知識の大切さに気付いている教育者の方が少ないという異例の事態が起きているわけですが、世界目線で英語教育を見ている私ミツイとしては、英語を教える側に言語学の知識がないことも日本人の英語力が低い一要因となっているように思えます。

「言語学」を知らずに英語を教えるというのは、人間の臓器やその働きを知らずにお医者様になるというようなもの、なんです。

言語は人間が使うもの。なので、人間が活動する分野には必ず「言語学」が派生します。

例えば、人間が生きてきた歴史をなぞらえるHistorical Linguistics。子どもが言語を学ぶ過程を研究するLanguage Acquisition。男女両方がいる空間での言語運用を研究するLanguage and Genderなんて分野もあります。今ではArticificial Intelligence(AI)が言語を学ぶ過程の研究だとかも人気ですね。

その中でも「理論」に着目しているものもあれば、「実際の運用」に着目しているものもあります。

「英語を教える」というのは、あくまでも「その中のひとつ」でしかないのです。

言語学を知ると英語指導のアプローチが変わります。

日本語と英語がどうのこうの、という狭い世界ではなく「世界の言語のひとつである英語」という広い視野をもって英語に向き合っていくことが可能となります。確実に「英語講師としてのあなた」の成長が見込めるし、「あなたの生徒さん」が得られる学びの深さも変わってきます。

そして、言語学を知ると、外国語学習時に必須となってくるLanguage Awarenessが高まります。つまり、言語学の知識は巡り巡ってあなたの英語力アップにも貢献してくれるのです。

ただ、言語学は深く面白い分野なのですが、それ故に「学ぶ人」を選ぶ分野でもあります。多くの人がその世界の独特さに馴染めずにその世界の探求を諦めてしまいます。そこで、今回、英語を教える人を対象にして 言語学の基礎分野が学べる講義動画を作成しました。この講義動画では、皆さんが英語を教える立場として最低限知っておくべき言語学の知識を得られるよう、「言語学の基礎分野」の説明を極限にまでシンプルにまとめあげました。

英語を教えるうえで知っておくべき知識としてこちらの「言語学基礎」で取り扱っている分野に関してはここで学べることを最低限押さえておけば良いかと思います。

ただ、もし、より深く言語学の世界を探究したい場合は個々で言語学の本などを読んだり、Khan Academyのような優秀な教育ビデオサイトを利用したりして皆さんの学びを継続させていってください。

この講義動画は皆さんがそうして英語講師としてのスキルアップを図るための「第一歩」として最適な教材です。ここで言語の要素について学んでから、英語教育に役立てることが出来る言語学の様々な分野の知識を増やしていってください。

言語学講座のポイント

自由な学習

言語学講座は「講義動画」で学んでいただきます。学習の時間と場所を選ばないので忙しい方にもお薦めです。各単元が複数の講義に分けられているので(各動画約10分~30分ほど)隙間時間での学習が可能となっています。

内容はハイレベル

言語学講座の内容は米国大学・大学院で学ばれているレベルのもの。非常に複雑な内容の単元も簡単にまとめられているので「この講義動画で言語学デビューをして良かった」というお声をいただいています。

日本語・英語に対応

講義動画の口頭説明は日本語で、スライドは英語表記。そのため、シッカリと理解をしながらも英語での専門用語を学ぶことが出来、この後に言語学の世界を探求する際、日英言語を問わずに論文を読んでいけるようになります。

課題で理解度UP

講義動画視聴後、Discussion Questionsという課題があります。私ミツイからフィードバックを受け取ることにより、あなたの理解をより確実なものへとすることが可能。これは動画だけの講座では得られないメリットです。

受講費

  • ¥34,000
  • 全ての単元に課題あり(フィードバック付)
  • 前半もしくは後半、ご希望されるものをお申込みください(後半は前半の知識があることが前提となった説明となっています)。
  • 前半ともに後半、両方のお申込みをされる場合は¥3000の割引で、合計¥65,000の受講費とさせていただきます。

受講をすると…

  • 世界中の「プロの英語講師」が知っている、言語学の基礎を知ることが出来る!
  • 言語の基礎を知ることで、今の自分の教え方を見直すきっかけが得られる!
  • 英語を教えるうえで押さえておくべきポイントを把握出来る!
  • 自分のカリキュラム・教材作成時に何に気を付けるべきかを把握できる!
  • 世間一般に出回っている「英語ビジネス」の質を、ある程度、見極めることが出来るようになる!
  • より言語を楽しむことが出来るようになる!

言語学講座:前半の内容

  • 第1回目講義動画

    Overview of Language

  • 第2回目講義動画

    Phonetics(The Sounds of Language)

  • 第3回目講義動画

    Phonology (The Function and Pattering of Sounds)

  • 第4回目講義動画

    Morphology(The Analysis of Word Structure)

  • 第5回目講義動画

    Syntax(The Analysis of Sentence Structure)

  • 第6回目講義動画

    Semantics(The Analysis of Meaning)

  • 第7回目講義動画

    Historical Linguistics

言語学講座後半の内容

  • 第1回目講義動画

    The Classification of Languages

  • 第2回目講義動画

    The First Language Acquisition

  • 第3回目講義動画

    The Second Language Acquisition

  • 第4回目講義動画

    Psycholinguistics

  • 第5回目講義動画

    Brain and Language

  • 第6回目講義動画

    Language in Social Contexts

  • 第7回目講義動画

    Writing and Language

  • 第8回目講義動画

    Language Ecology

受講生のご感想

大事な基礎知識が短い時間でコンパクトにまとめてあるので、スピード学習できてとても助かりました。大枠がわかると今後の学習がしやすいので、こうした講義はとてもありがたいです!発音の変化については、いろんな人が少しずつ違った名称や分類を使っているので若干混乱していましたが、今回明確に分類を知ることができたのもとても役に立ちました。 それから、母音と子音のチャートの見方について説明してもらえたのもよかったです。これまでも参考書などで見たことは結構あったのですが、見方がよくわかってなかったので、細かくて面倒だなと思ってしまい、あまり積極的に活用しようとは思っていませんでした。でも、発音をしっかり勉強したい人には役に立つチャートだということがわかり、今後は自分の発音チェックに積極的に使っていこうと思いました。

(教えている対象が)言語なので(当然言語は)変化していく部分があるので、それは日々の勉強でアップデートしていかないといけない部分だと思うのですが。この言語学基礎講座はその名の通り基礎、なので、めまぐるしく変わる部分ではなく、原則、というルールがあると思うので、それを知らずして誰かに教えるって怖いことだなぁって実感しています。

何も知らずに塾で中学生に教えていた大学生の自分って、無知で最強だったなぁ、と(笑)

この言語学講座ってまさにそういう部分を突いている講座だと思います。現役の英語講師の人だと、特に、基礎なのに自分が知らない英語学習分野がまだまだある、という現実に直面するのって、ある意味怖いことだと思うのです。普段プロとして英語を教えているわけですし。とはいえ後回しにしがちですし。私自身も「ちょっとこわいな~、本当に教えられるかな~」と不安になりかけているのですが、そこはこの動画を繰り返し見たりして、補っていきたいところです。

今まで感覚で覚えていたものについて、理由がはっきりしたのが一番の収穫です。何となく覚えた、あるいは何回も使う単語であるので自然と覚えられたので自分では使いこなしていましたが、それをいざ教えるとなると非常に難しく、「頑張って覚えてね」みたいなことを言っていました。 これからはきちんと理由付けをして教えられると思うので、より理解を深められるレッスンができそうです。

ネイティブ話者が感覚的に掴んでいる部分について、それを日本語で解説いただけることも、英語圏在住の流暢な話者にとどまらず、学問として長年英語と向き合われている直子さんからでないと学べない部分だな、とつくづく感謝の気持ちが溢れました。動画で図解されているようなことが私たちの脳内で起こっているとは、こうして視覚化・言語化して学べる機会がなかったら、一生自覚できないままだったと思います。 直子さんが渡米されて長年にわたり学んでらしたことを、こんなに分かりやすく図解で圧縮して動画で教えていただけたことで、一体独学しようとしたら何十年かかったか計り知れないくらいショートカットで吸収できるなんて!お陰で国内で学習中の生徒さんにも伝えることができます。ありがとうございます!

佐藤玲先生

推薦者の言葉

魅力的で奥行きのある言語学の世界を垣間見ることもしないで、語学を学んだり、語学を教えようとするのは、旅先でホテルにしか滞在していないのにその国のことを見聞きしたかのように錯覚してしまうことにも似ています。

日本という国ではまるで、「外国語の単語や文法の知識を積み上げれば、いつか、英語が話せるようになる」という、根拠のない楽観論のもとに、膨大な時間、お金、労力、情熱が、英語学習というブラックホールへ吸い込まれていくかのようです。このような現象の背景には、学問や教養に対する幅広いものの見方が戦後の教育の中で失われっていたことがあると思いますが、学問や知識は、象牙の塔にこもる専門家のための瑣末な知識などでは到底なく、人の心や能力を、真に自由に解放してくれるものです。

考えてみれば当然のことですが、言葉は、人間がイメージし、身体という楽器を用いて、思い通りの音の並びとイメージを乗せて、豊かな表情や息づかいとともに、相手に、世界に、後世の人に、伝達しようとするものです。文法事象は、人の心が生み出すものであり、単語は、人の心に映ずるシンボルを反映したものです。作曲家の心を理解することなしに譜面だけ覚えても、心の通った音楽にはなりませんし、音の連なりが無機質となり、タイミングもずれてきます。

人間は、言語によって、宇宙の生物やコンピュータと交信します。哲学者、物理学者、数学者、芸術家たちが、畏敬の念をもって探求しているのが、言葉と心の成り立ちです。心と、単語と、文法の、生きた呼応関係が見えてくれば、語学の学びは、もっと自然に、楽しく、そして圧倒的に効率的になるものです。

衣川はそのような考えから、英語コーチ事業の草創期より、英語コーチ志望の方に、言語学に依拠した英語学習法、教授法を講じてきました。学び始める前の「難しそう」というイメージは簡単に裏切られ、言葉ってこんなに楽しかったのか、もっと知りたい、学校でもこうして教えてほしかったと、感想をもらうことばかりです。音楽や、旅や、ロマンスのない人生がつまらないように、言語学の見取り図のない語学の学びは、単調な暗記やレッスンの繰り返しだけに終わる公算が高いでしょう。

言語学の楽しさが、もっと広く、伝わることを、切に願います。

今回の講座は、英語の教育に携わる方に対する指導実績で圧倒的な業績を出していらっしゃるミツイさんが、言語学の世界を、わかりやすく、楽しく、案内してくださるものです。ご自身の学びを深めるためにも、英語教育の指導力や効果をさらに高めるためにも、必須とも言える内容です。自分が英語を話せることと、英語をクライアントに効果的に教えられることは別のことであるという事実に思いを致し、英語を教える以上は、効果のある学び方、教え方を、常に洗練させていてほしいと思います。

学問の本質は、問いを立てることです。

適切な問いを立てるには、多くの先人たちの知見や、今も動いている学問のフロンティアを知っている必要があります。最新の医療がクライアントにやさしい医療になっていても、お医者さんがそれを知らなかったら、痛みの大きい治療を強いることになります。

学問は、思っている以上に、楽しく、新しく、活気を伴って動いているものです。最良の先生から学んでくださいね。